新刊の技術書を見つける工夫というのは人によっていろいろあると思います。
先日読んだ『「技術書」の読書術』には、hontoでの新刊お知らせメールのサービスを紹介されていました。自分もこのサービスには登録しており、チェックするようにしています。
他に私が新刊の技術書を探すのに、技術書をだしている出版社の書籍一覧ページをチェックするということをやっています。
もしかしたら、「それってアマゾンの新刊チェックでよくない?」と思われる方もいるかもしれませんが、私としては出版社のページをチェックすることについて、下記3つのメリットがあると思っています。
- アマゾンより早く新刊を知れることがある
- 書籍ページの書籍説明が充実している
- 書籍の目次が掲載されている(昔はAmazonにもあったのですが、今は目次が書かれてない書籍も多い)
というわけで、この記事では、私がチェックしている出版社とその書籍一覧ページを13個紹介します。
それぞれ、ページのキャプチャ画像も掲載していますが、IT系の本のキャプチャをとりたいため、リンク先のページではなく、2ページ目やページの途中のことがあります。
頻繁にチェックするページ
翔泳社
書籍一覧|翔泳社の本
多分、私が最もよく購入する出版社です。
入門者向けから、実務に直結する本まで幅広くそろえてありますが、しいて他の出版社と比べると、アジャイル開発についての本が多い印象を受けます。
小難しい内容は少なく、本をあまり読まない人でもとっつきやすい本が多い印象です。
翔泳社のすごいところは、自社で運営しているECサイトのSEshop。
ECサイトを持っている出版社は珍しくないですが、ここは送料無料なうえに、キャンペーンが非常に多い。
なんと、書籍を購入すると50%ポイント還元なんてキャンペーンが行われることがあります(発売前の新刊も対象! 翔泳社の技術書が紙で50%ポイント還元、セールは9/13まで【送料無料】|CodeZine(コードジン))。つまり、実質50%オフです!(「いや、ポイント50%還元ということは、そのポイント分+元の金額で購入するみたなもんだから、実質33%オフといったほうが近い」なんて野暮なツッコミはしないでください)
しかもこのキャンペーンをやっている時に、ポイントを使って購入した場合、なんとポイントを引いた額ではなく、元の書籍代から計算されたポイントが還元されました!(少なくとも、こないだのキャンペーンは)
さらに、メルマガに登録すると毎月、「10%オフクーポン」が届きます。つまり、普通、定価でしか買えない本を10%オフで購入することができるんです。
大学を卒業するとき、「これで本を購入する時、10%オフで買えなくなるのか…」なんて思ったりしましたが、購入したい本が翔泳社の書籍の場合、そんな心配は無しです。
しかも、翔泳社では献本企画をちょこちょこやっていて、私も今まで何冊かサイトをとおして書籍をいただきました。
本当、そんな大判振る舞いで株主から怒られないのかと心配になります(私も株主ですが)。
これからもずっとそんな気前のいいキャンペーンをするか分かりませんが、本の内容自体もいいものが多いので、ぜひチェックしてほしいです。
技術評論社
書籍一覧新刊|技術評論社
個人的に、先ほどお伝えした翔泳社と技術評論社は私好みの本が多いです。
違いとしては、翔泳社は技術者以外を対象とした本も多くあるのに対して、技術評論社は名前からも分かる通り、技術者を対象とした本の比率が高いです。
何より、技術評論社は『WEB+DB PRESS』と『Software Design』という技術雑誌を刊行しているのが強みだと思います。
雑誌だとまさに今旬の話題についても書かれているため、最新情報を追うのにはいいです(といっておきながら、私自身はたまにしか買わないのですが)
後、技術評論社の場合、『電脳会議』という無料の郵送冊子が面白いです。冊子に最近発売された本の紹介が載っており、それを読むだけで勉強になったりします。
ただし、なぜか技術評論社の新刊一覧ページには、発売予定の本の書籍ページ自体は作られているのに、新刊一覧には載ってないということがあります(なぜか、ジャンルごとのページにはある)。
基準はよく分かってないのですが、発売予定が遅い場合は掲載されないこともあるようです。
例えば、『入門セキュリティコンテスト』という本が2022/11/26に発売されるようなのですが、今時点(2022/11/06)だと新刊一覧のページには11月24日発売までの本しか掲載されていません(ジャンルがプログラミング・システム開発のページにはあります)。
新刊一覧ページ:
プログラミング・システム開発のページ:
なので、技術評論社の新刊については、hontoの新刊通知で先に知るということも多いです。
オーム社
書籍一覧 | Ohmsha
コンピュータに限らず、理工学系の本を中心に扱う出版社です。
全体的に、大学の教科書で使われるような堅苦しい本が多い印象で、発行元がオーム社の本を読むことは少ないです。
じゃあなぜ頻繁にチェックしているかというと、オーム社はオライリーの発売元の会社ということもあって、新刊書籍一覧にはオライリー本が掲載されるためです。そのため、オライリー本の新刊をチェックするためにこちらを見ています。
「いや、それならオライリーのサイト見た方がよくない?」と思われるかもしれませんが、オライリーから発売される本は、オライリーのサイトに掲載される前に、オーム社のサイトに掲載されることが多いようです。
例えば、2022/12/02に『マイクロサービスアーキテクチャ(第2版)』というオライリー本が発売されるようなのですが、オライリーのサイトにはこの本の書籍ページはまだ存在しないようです。
O’Reilly Japanのトップの『New Books』も11月22日の本までしか掲載されてないです。
というわけで、オライリーの近日発売される新刊をチェックしたい場合、オーム社の新刊一覧ページを見た方がいいかと思われます。
まあ、オライリーはオライリーで、読みづらい本も多い印象があるんですけどね(というより、個人的には翻訳本には読みづらい本が多い)。
時々チェックするページ
マイナビブックス
コンピュータ | マイナビブックス
マイナビブックスについては、「コンピュータ」カテゴリーのページのみチェックしています。
雑誌『Web Designing』の出版社ということもあってか、デザイン系とWeb制作系の本が多い印象です。
ただ、そんな中でも専門的なプログラミングの本があったり、実務に役立ちそうな本もあるので時々チェックしています。
私自身はあまり買うことはないのですが、Web制作を極めたいという人にはオススメの出版社です。
日経BP
新刊 | 日経BOOKプラス
人によっては、「技術書の出版社なの?」と思われる人も多いと思いますが、技術書も多いです。
一般書籍だと技術書ではないビジネス本が多いですが、雑誌だと、『日経ソフトウエア』や『日経Linux』というIT雑誌も多いですよね。その派生で、技術書が出版されることもあります。
ただこの日経BPのサイト。最近大きくリニューアルされて、新刊一覧が分かりづらくなりました。
個人的に、新刊一覧に発売日が載らなくなったのは残念です(確か、前は載ってたような)。ただただ横に表紙と書名を並べてるだけで、いまいち情報が伝わってこないです。
後、私自身はビジネス本もよく読むのでいいのですが、技術書と関係ないビジネス本も多いので、そこがノイズと感じる人がいるかもしれないです。
SBクリエイティブ
PC/IT書籍 | SBクリエイティブ
ソフトバンクグループの出版社。もともと、ソフトバンクは出版社として有名になったそうです(知らんけど)。
私は、ジャンルを「PC/IT書籍」のページのみチェックするようにしています(全ジャンルの一覧だとライトノベルで埋め尽くされます)。
やたらExcelの本が多い印象があります。Excel本というとパソコン初心者向けという印象がありますが、データ分析だったり、最近はXLOOKUPに特化した本も発売されたそうです(最強のデータ抽出関数XLOOKUP関数しっかりマスター | SBクリエイティブ)。XLOOKUPだけで一冊の本ができるのかと少し驚きです。
プログラミングの本についてもちょくちょくでていて、個人的に気になる本もたまにあります。
インプレス
書籍一覧 (1 / 224) – インプレスブックス – 本、雑誌と関連Webサービス
技術書といわれてぱっと思いつく人も多いかもしれないインプレス。
代表シリーズに「できるシリーズ」というのがあるとおり、初心者向けの本が充実しています。
そういうこともあって昔はよく読んでいましたが、最近はあまり読んでないです。
といっても、専門的な翻訳本がでていたり、興味のあるツールの本が出版されることもあるのでチェックするようにしています。
ただ、『「Web3の教本」、批判受け無料公開終了 電子書籍は購入できない状態に – ITmedia NEWS』というニュースにもあるように、「ちゃんとチェックしてる?」という印象を持つ本がたまにあります(多くは無いです)。
秀和システム
秀和システム あなたの学びをサポート!
ジャンル:IT系書籍のみチェックしています。
一覧に発売日が書かれてないのが残念ですが、情報は多く乗っているので、定期的にチェックしていたら、どこまでが新刊か分かると思います。
個人的に、ちょっと気になる本だと思ったら、掌田 津耶乃さんの書かれた本のことが多いです。この方はやたら、いろんな種類の技術書を書いています。
いわゆる本業プログラマではなく、テクニカルライターのため、書いてある内容が浅いと感じることがあるのですが、入門書として基本的な内容を把握する分には問題ないと思います。
C&R研究所
書籍TOP|株式会社 C&R研究所
ここも、書籍一覧に発売日が書かれてないのが残念です。発売日順で並んでいるのかもよく分かってないです。
C&R研究所はやたらニッチだったり、実践的な内容の本が多い印象です。
実践的な内容は、自分の業務にはまれば「これこそ求めていた本!」となるのですが、そうでなければ「全然役に立たなかった」となりかねないので、書名だけではなく、ちゃんと目次を見てから買った方がいいです。
なお、先ほどお堅めの印象と書きましたが、多分この出版社の代表作は『わかばちゃんシリーズ』です(といっても、自分はまだ読めてなかったりします)。
たまにチェックするページ
MdN
全書籍一覧|株式会社エムディエヌコーポレーション
MozillaじゃないほうのMdN。デザイナ向けの本が多いです。
技術書以外の本も多いので、それがノイズになるかもしれないです。
鬱陶しいなら、カテゴリーを「Web制作」や「プログラミング」でチェックするようにしたほうがいいです。
デザイナ向けの本が多いという事もあって、ITエンジニア向けとは少し違いますが、Web制作に携わっているならチェックする価値はあると思います。
リックテレコム
BOOKS(書籍、電子書籍)|リックテレコム
ちょっとお堅めの本が多いです。入門本もいくつかあるようですが、あまり多くないみたいですね。
そういうこともあって、ちょっととっつきにくい印象がありますが、一応チェックしています。
本格的に学びたいことの本があれば、読んでみてもいいかもしれないです。
ソシム
書籍一覧 | ソシム
読みやすく、とっつきやすい本が多い印象です。
技術書以外の本も多いので、カテゴリー:ITだけのページをチェックするのもいいかもしれないですね。
ただ、発行ペースは早くないので、私は全カテゴリーのページを時々見て、ついでに技術書以外の本もチェックするようにしています。
KADOKAWA
「PC・理工科学書」 を含む検索結果 – KADOKAWA
技術書のイメージのない出版社だと思いますが、カテゴリーごとに見れるので、「PC・理工科学書」のカテゴリーページを時々チェックするようにしています。
振り幅が大きい印象で、初心者向けの本や上級者向けの本はあるのですが、中級車向けの本は少ない印象です。
上級者向けっぽい本はだいたい翻訳本で、そういう本は黒っぽい本が多い印象です。
KADOKAWA全体では発行ペースは速いですが、技術書の本は頻繁には出版されません。
なので、たまにチェックするのでいいと思います。
番外:電子書籍
達人出版会
書籍一覧 – 達人出版会
技術書の電子書籍を出版している会社のサイトです。
インプレスやKADOKAWAの本もあり、先ほど紹介したページに掲載される本と若干かぶっています。
このページには、将来発売される本の情報は掲載されてないようです。直近でどういう本が発売されたかのチェックには使えると思います。
一応、チェックはしていますが、番外と書いてあるように、ここだけにしか載らない本は、同人誌的な面が大きく、あまり品質が高くないことが多いので、私自信、購入することは滅多にないです。
ニッチな本は多いので、ここにしかなければ購入するというのはありだと思います。たまにKindleで安く売られていたりします。
最後に
私の場合、今回紹介したページをチェックする場合、Chromeのブックマークのフォルダにまとめ、フォルダを右クリックし、「すべてを新しいウィンドウで開く」で開いてチェックすることが多いです
だいたい新刊は最上部に載るので、そこが変わってなければCtrl+Wでタブを閉じて、他のページをチェックします。
みなさんも、今回紹介したやり方で技術書の新刊をチェックしてみてください。
ちなみに、私は仕事で使えそうな本を見つけた場合、会社に書籍購入依頼をだすようにしています(稟議書書かなきゃいけないので、それがちょっと面倒なんですが…)。
他にも、おすすめの出版社のページがあれば、コメント欄で教えてください!
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